シアトル・ノースカントリー・セクションは、シアトルから北へ車で30分(45 km)のところにあり、ムキルテオ、エバレット、スノホミッシュ、モンローの各都市を通過します。市街地を抜けたら、田園地帯の川谷に囲まれた静かな海岸沿いのコミュニティへと向かいます。ここではバードウォッチングがとても盛んで、特にジェティ島とスペンサー島では、カモメ、ツバメ、ハクトウワシ、フクロウなどが現れるのを、観光客がじっと待ち構えています。
この先の旅は、冒険の連続です。趣のあるウィッビー島とカマノ島を目指して西に向かうか、スティーブンズ・パス・グリーンウェイを通って一路カスケード山脈の奥へと向かうか、いずれにしても楽しみな旅になるでしょう。
島のルートを進んでいると、州内でも人気の観光スポットの一つであるディセプション峠を通過することになります。その周辺にある州立公園には、険しい崖や何kmにも及ぶ海岸線の絶景を見るために、ワシントン州でも特に多くの観光客が訪れます。橋の上にもパーキングエリアがあり、波立つ海の上を見下ろしながら写真を撮ることができます。島の町はのんびりしており、米軍基地もあるので、歴史と美しい景色の両方に浸ることができます。
スティーブンズ峠のルート沿いでは、険しい山間の街や、静かな林業の街を中心にしてアクティビティを体験することができます。サルタンにあるオスプレイ公園には、長さ3 km以上のトレイルがあり、車椅子やベビーカーも通ることができます。秋の産卵期には、川を泳ぐサケを見ることができるでしょう。また一年を通して、ミサゴ、カモ、ビーバー、オジロジカなどの野生生物を見ることができます。このシーニックバイウェイ沿いの街では、滝へのハイキング(ゴールド・バーのウォレス・フォールズ州立公園)や、ミニチュア鉄道(スカイコミッシュのグレート・ノーザン&カスケード鉄道)を楽しみましょう。
さらに足を伸ばして、カスケード・ループの全行程を走破するなら、バイエルン風の村のレブンワース、世界のリンゴの中心地といわれるウェナチー、氷河によって削られた場所にできた湖で、ワイナリーやさまざまなレクリエーションを体験できるシェラン湖、西部開拓時代の無骨さが残るウィンスロップ、山の景色が素晴らしいハイキングの出発点となるノース・カスケード、毎年春になるとチューリップが咲き乱れる、夢のような農業の祭典スカギット・バレー・チューリップ・フェスティバルなど、さまざまな街や風景に立ち寄ることができるでしょう。カスケード・ループのドライブの旅なら、どの目的地を選んでも、きっと忘れられない思い出を作ることができるはずです。
アクセス情報:カスケード・ループは、ワシントン州の西部および中央部を巡る全長708 kmのコースです。所要日数は約5日間とされていますが、寄り道や連泊をする場合には、さらに日数がかかることもあります。工事や、冬の天候により、峠道や高速道路が閉鎖される場合があるので、旅行前にはワシントン州交通局に道路の状況を確認しておくとよいでしょう。