シアトルのような先進的な都市では、刺激的な博物館や歴史ある劇場、音楽会場や特徴的なフェスティバル、そして多様なコミュニティを尊重する文化施設で、創造性が存分に表現されています。
ダウンタウンのシアトル美術館(SAM)は、国際的なアーティストや太平洋岸北西部で活躍するアーティストの先進的な作品、貴重な絵画、インスピレーションあふれるインスタレーションなどが展示されているアートの中心地です。また、SAMには2つの姉妹施設があります。広さ3.5 ヘクタールのオリンピック彫刻公園は、高々とそびえ立つ彫刻作品やエリオット湾の素晴らしい眺めで知られています。キャピトル・ヒルにあるシアトル・アジア美術館は、アジアの工芸品や現代美術を展示しています。
シアトル・センターのチフーリ・ガーデン・アンド・グラスで、太平洋岸北西部のガラス芸術の遺産を体験しましょう。ここでは、世界的に有名なガラス工芸作家のデイル・チフーリが手がけた何百もの印象的な作品を鑑賞することができます。また、10月に開催される「Refract(屈折):シアトル・ガラス工芸エクスペリエンス」は街を挙げてのガラス工芸のイベントで、数十のアーティストや団体が公開スタジオ、アート・パーティ、制作実演、美術館やギャラリーの展示、トークショー、ツアーなどを開催します。
このほかにも、この地域の豊かな文化的影響を紹介する博物館がいくつもあります。チャイナタウン・インターナショナル地区のウィング・ルーク博物館は、アジア系アメリカ人、ハワイ先住民、太平洋諸島民の体験を展示しています。バラードの国立ノルディック博物館は、北欧諸国とこの地に定住した移民の遺産が展示されています。ユニバーシティ地区のバーク博物館は、太平洋岸北西部の自然史と先住民の文化にスポットライトを当てています。なお、シアトル・ミュージアム月間中にダウンタウンのホテルに宿泊すると、この地域の著名な博物館を特別割引料金で見学することができます。
舞台芸術では、ダウンタウンや近隣のクイーン・アン地区のシアトル・センターにパラマウント・シアター、べナロヤ・ホール、5thアベニュー・シアター、マッコー・ホールがあり、演劇、ダンス、コンサートなど、さまざまな公演が行われています。実際これらの劇場やホールは、シアトル交響楽団、シアトル・オペラ、パシフィック・ノースウェスト・バレエなど、非常に有名な芸術団体の本拠地にもなっています。
シアトルといえば、ニルヴァーナ、マックルモア、ハート、ジミ・ヘンドリックスといった伝説的なバンドやミュージシャンの誕生の地ですから、当然のように、多くのコンサートホールがあり、数々の音楽祭が開催されます。ルーメン・フィールドやクライメット・プレッジ・アリーナでは、国際的に有名なアーティストのステージが行われ、パイク・プレイス・マーケット近くやSoDo地区にあるザ・ショーボックスは、新進気鋭のインディーズ・ミュージシャンから世界的なヘッドライナーまでが出演する、シアトルでも特に人気の高い音楽会場の一つです。ベルタウンのザ・クロコダイルには、ロックやヒップホップのバンドのお気に入りの場所で、バラードのトラクター・タバーンカントリーやインディーズのミュージシャンたちが集まります。
シアトルを代表するアートと音楽の祭典であるノースウェスト・フォークライフは、4日の開催期間中、決して音楽が鳴り止むことはありません。毎年5月にシアトル・センターで開催されるこのフェスティバルは、50年以上にわたって音楽とアートをテーマとした文化プログラムを一斉に行なってきました。また、キャピトル・ヒル・ブロック・パーティが開催される7月の3日間には、ヒップホップ、エレクトロニック・ダンス・ミュージック、オルタナ・ロックの新進アーティストによる野外ステージと屋内パフォーマンスで、キャピトル・ヒル地区は占領されます。そして毎年9月には、有名アーティストや地元ミュージシャンを集め、ユニークな芸術文化体験も実施するバンバーシュートがシアトル・センターで開催されます。ジャズの方が好みだという人には、毎年秋に開催されるイヤーショット・ジャズ・フェスティバルは見逃せません。国内外のミュージシャンによるパフォーマンス、初演、特別企画を楽しむことができます。また11月にも音楽祭のクラウドブレイクが3週間にわたって開催されますが、この期間に協賛のダウンタウンのホテルに宿泊すると、街の20以上のライブハウスで行われるコンサートの入場料が無料になります。
アクセス情報:クイーン・アンは、ダウンタウンからモノレールに乗って3分で行くことができます。キャピトル・ヒルはダウンタウンから徒歩15分、またはキング・カウンティ・メトロの2番か12番のバスで行くことができます。チャイナタウン・インターナショナル地区とユニバーシティ地区は、ダウンタウンからリンク・ライトレールを利用することができます。バラードは、ダウンタウンからキング・カウンティ・メトロの28番か40番バス、またはDラインのバスで行くことができます。
シアトルのネイティブ・アメリカン、アジア系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、ラテンアメリカ系アメリカ人、スカンジナビア系アメリカ人のコミュニティをテーマとした文化遺産ガイドシリーズ(英語)を通して、シアトルの活気あふれる遺産にもっと触れてみてください。
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